ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、ロシアへの反転攻勢をすでに開始したことを明らかにした。詳細は明かさなかったものの、「ウクライナ軍将官の士気は高い。プーチン大統領にそう伝えてほしい」と記者団に語った。
キーウ(キエフ)を訪問したカナダのトルドー首相と並んで会見したゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が10日に反転攻勢を開始したものの前進できていないと語ったプーチン氏の発言について聞かれると、肩をすくめた。「ウクライナでは反撃の行為と防衛の行為が起きているが、いまどの段階にあるのか詳しくは話せない」と述べた。
ウクライナ軍参謀本部は、激しい衝突が起きている東部のバフムトとマリンカ周辺で敵の攻撃を撃退したと発表した。「(ロシア軍は)大きな損失を出し続け、それを隠そうとしている」とした。
ウクライナはここ数カ月、ロシアが占領する南部と東部を奪還するため、大規模な反攻を計画していると言い続けてきた。しかし、これまで沈黙を守り、作戦を開始したかどうか明らかにしてこなかった。
ロシア側は、ウクライナが今週に入って大規模な反攻を開始したと主張。ロシアの防衛線を突破できず、多数の死傷者が出ているとしていた。
前線について中立的な立場の情報が少ないため、実際の戦況を確認するのは難しい状況にある。
英国防省は、ウクライナが過去48時間に東部と南部の複数の場所で「重要な」作戦を展開したとしている。ウクライナ側については「最初の防衛線を突破したとみられる地域もあれば、前進が遅い地域もある」ロシア側については「防衛できている部隊もあれば、混乱して撤退している部隊もある。撤退の際に自分たちが敷設した地雷原を通ることから、犠牲者の報告が増えている」とした。
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